形而下生活

映画を栄養素として生きています

いい意味で今すぐ手放したい『残穢』

私は本をたくさん読みたいという思いからよく古本屋を利用する。最新作を読みたいというこだわりがないため、古本屋に行ってその時の気分で本を大量に買う。

そんな中、手に取った『残穢

十二国記シリーズで有名な小野不由美さんの作品であり、映画化もされているホラー小説だ。

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率直な感想としては、中古で買ったことを後悔するくらい怖い。

生活にじわじわと入り込む怖さ

映画でも小説でも、「ああ、怖かったな」と思える作品というのは、現実味があるかないかであると思う。その点で、海外のホラーはそもそも幽霊ではなく悪魔系が多いので他人事のように楽しむことができる。しかし、日本のホラーはシチュエーションの想像が容易であり、よりリアルな内容程私たちの心に張り付いてくる。貞子は「いやいや、ありえませーん」と余裕かまして観れるのに対して、TV番組の『ほん怖』は生活に密着してる分、恐怖心が募る。
この『残穢』はまさしく後者の方で、簡単に言えば事故物件の話である。
簡単なあらすじとしては、怪奇談を募集するライターの主人公のもとに集まった話に共通点が見つかっていき、その大元をたどっていくという内容だ。

その地に残り続ける穢れ。

何かしたわけではないのに、その地に移り住んでしまったがためにさまざまな怪奇現象におかしくなっていく住人達が怖い。また、どんどん明らかになる過去はどれも眉をひそめる怪奇事件ばかりで、しかもそれがすべての伏線回収につながっていくところが面白い。映像も大きな音もないのに、急にどきっとびっくりしたり、視線を気にしたり、そんな本に出会ったことがなかったので、ぜひおすすめしたいと思った。
ちなみに映画の方もしっかり怖いので読破した方は映画も見ていただきたい。

また小野不由美さんのぞっとする系の本は本当に怖いので、ホラーが足りていない人はぜひほかの作品も読んでいただきたい。

kadobun.jp

いやー、ちょっと気になるなと思った方は私が買った本を譲るので、お声かけください。(^^)

(手放したいだけ)

 

今週のお題「最近おもしろかった本」