パラレルサイドストーリー

本編に入らなかった思考のスピンオフ

パセリそうめんという革命

パセリそうめんというジャンルをご存じだろうか。
それは、わたしの愛してやまない長谷川あかりさんが生み出した新ジャンルである。
わたしはこのレシピに出会い、「あ、そうめん界に激震が走ったな」と思った。

パセリと聞いて思いつくのは、いつもちょこんと乗っかっている姿ではなかろうか。
わたしもパセリそうめんと聞いて、洋風なそうめんを想像していた。
だが、お飾りなパセリではなかった。
そうめんを差し置いてパセリが主役を張る、緑と白のハーフハーフ。
それが『パセリそうめん』だったのだ。

この見たことも聞いたことも、ましてや食べたこともないレシピ。
早速作ってみることにした。
まずパセリを買うところからだ。
一味や胡椒と並んでいるパセリしか見たことのなかったわたしは、「生のパセリとは?はて?」という状態だった。
何周か野菜コーナーを回っていると、茗荷や大葉のとなりに奴はいた。
「たしかに…薬味の仲間か…」と若干悔しがりながら、パセリがお飾りになる前の姿を手に取った。
案外普通の野菜の見た目をしていた。

さて、長谷川あかり大先生はどうやってこのパセリを使うのか。
大胆に『3本をみじん切りにする』と書いてある。
パセリに本という単位、使ったことがないが!?

包丁でざくざくと切るたびに香るパセリ。
3本も切ると、ボウルの中にパセリ山ができる。
そして、この中にシラス、にんにく、醤油と塩をベースとした調味料を和えるのだ。
最後に水をきったそうめんを器に盛りつけ、パセリソースをのせたら…
『パセリそうめん』の完成!

切ってゆでて和えてのせる。
わたしはオーバークックが得意なので、ものの5分で作ることができる。

そしてその味、新感覚。
そうめんのつるっとさの中に、パセリのざくざくがふんだんに散らばっている。
そうめんを食べているはずなのに、なぜか噛み応えがあるのだ。
ふーんと鼻から空気を抜くと、シラスから香る磯の塩気を纏ったパセリが感じられる。
パスタに和えても美味しいだろう。
だが、あえてそうめんにすることで、パセリとより絡みやすくなっているということか。
天才か…!
味と食感の意外性に、わたしは一回食べて虜になってしまった。

この感動を…!と祖母に作ってあげたことがあった。
しかし祖母は、そうめんを念頭に置きすぎていた。
ほぼ葉っぱ時々そうめんという異色の盛り付けに、「動物じゃないんだけど?」と言ってきた。
失礼な、栄養価の高いれっきとしたパセリだっつの!
「まあ一回だまされたと思って食べてみなよ」と言って食べさせると、悔しそうに「…美味しい」と言って、ペロリと完食していた。

長谷川あかり大先生にはいつも驚かされる。
これとこれを混ぜて、味付けは塩だけ!?となるびっくりレシピが次々と生み出される。
そういうギャップのある料理ほどわたしは魅了され、挙句「わたしが発明しました」という顔で家族に提供している。

これからも、ずっとお世話になります。

chubakkabakka.hateblo.jp

今週のお題「夏レシピ」